2024年を振り返る 注目度の高かったニュース記事
2024年の1年間で637の記事をブログに投稿しました。前年の2023年は700記事を超える投稿をしていたので少し更新頻度は落ちましたが、ブログ運営を継続できたのは見て頂ける読者の方がいるおかげです。本当に感謝しています。
年末最後の記事はその年の1年を振り返り、注目度の高かった記事をランキングで紹介します。2024年に投稿した637の記事から閲覧数の多かった上位15記事を発表。15位から順に紹介していますが、とりあえずランキングの一覧表が見たいという方は👇下のリンク先をクリックすると最終ページへ移動します。
リンク先 注目度の高かった2024年のニュース記事ランキング表(最終ページ)
15.姫路港で小豆島行きのフェリー「第五おりいぶ丸」が防波堤に衝突
2024年6月1日午前10時頃、兵庫県姫路市の姫路港で小豆島行きのフェリー「第五おりいぶ丸」が防波堤に衝突する事故が発生。事故当時、フェリーには乗客184人と乗組員6人が乗船していましたが、ケガ人はいない。
報道されている情報およびAIS情報によると、フェリー「第五おりいぶ丸」は姫路港を出発直後、飾磨東防波の先端部分に衝突し、船首左舷が縦45cm、横90cmにわたり損傷。
「第五おりいぶ丸」を運航する四国フェリーグループの小豆島フェリーは事故後にホームページで姫路~福田(小豆島)航路の減便を発表し、減便理由として ”船舶機関の不具合” と説明。
14.富山市岩瀬浜沖で中国人乗組員など13人が乗船の貨物船座礁
2024年1月19日午前6時半頃、富山市の岩瀬浜から沖合約200mの位置で全長97mの貨物船「DONG YU」が座礁する事故が発生。
貨物船には中国人をはじめインドネシア人、ミャンマー人の13人が乗船していましたが、全員無事であることに加え、船体に異常は無く座礁による損傷で浸水が起きていないことから、座礁発生から6日間のあいだは座礁した貨物船に乗組員が乗ったままで離礁作業がおこなわれていました。
事態が一転したのは座礁事故発生から6日後の1月25日。貨物船「DONG YU」から救助要請があり、海上保安部を通じて航空自衛隊小松救難隊のヘリコプターが出動し、乗組員13人全員を富山空港に搬送。
最終的に貨物船「DONG YU」がタグボートにより座礁位置から富山港へ曳航されたのは2024年6月25日。座礁から撤去までにかかった日数は158日、5カ月以上が経過していました。撤去作業は船主の依頼を受けた日本サルヴェージが実施。
- 2024年
1月19日座礁事故発生 - 1月25日乗組員13人全員救助
船内の発電機が動かなくなり、非常用発電機も動かないとして乗組員から救助要請。貨物船は当初座礁した位置から東に200メートル流されていて、左舷に10~12度傾斜した状態。
- 1月28日貨物船「DONG YU」から油流出
貨物船「DONG YU」から沖合に向かって東西およそ1.6kmに渡り油流出。船の燃料である重油が漏れ出たものではないという推察。
- 2月14日貨物船の中国籍の船長に対し業務上過失往来危険の罪で罰金の略式命令
貨物船「DONG YU」の中国籍の船長は2月5日に書類送検され、業務上過失往来危険の罪で2月14日に罰金の略式命令を受けた
- 6月12日2024年6月中に船体撤去の予定であることを発表
これまでに船内の油抜き取りは完了しており、船内の積荷回収や船体補修の作業が進行中
- 6月25日タグボートによる船体曳航
タグボートにより富山港へ曳航。県外に運んで解体する予定
- 富山市岩瀬浜沖で座礁の貨物船から救助要請、乗組員全員救助
- 富山市岩瀬浜沖で座礁の貨物船「DONG YU」から油流出
- 富山市岩瀬浜沖の座礁船「DONG YU」6月中に撤去の予定
- 富山市岩瀬浜沖の座礁船「DONG YU」海開き前に撤去完了
13.八戸沖の座礁船、機関室部分をフローティングドックへ積載完了
2024年2月24日、青森県八戸港の沖で座礁した木材チップ専用船 CRIMSON POLARIS(クリムゾン・ポラリス)の残された船尾部分撤去作業のうち、昨年末に八戸港中央防波堤の港内側へ移動を完了させていた機関室をフローティングドック(FD)「宏洋12000」に搭載する作業が完了しました。
- 2021年
8月11日座礁事故 発生青森県八戸港沖で錨泊中に強風により流され座礁。事故当時、船に乗船していた乗組員21名(中国人、フィリピン人)は、全員無事。
- 8月12日船体分断
船体分断により油流出。流出した油の量は388KL(推定)。座礁時点で「クリムゾンポラリス」が保有していた油の量は、重油約1,550トンと軽油約130トン。
- 8月27日船首部を八戸港内に移動
自船浮力で浮いている船首部を八戸港内に引き込み、岸壁に係留した状態で船内に残る油の抜き取り作業開始
- 9月13日船首部の曳航開始
9月11日に船首部の油抜き取り作業が完了、13日に八戸港を出港して広島県江田島へ向け船首部の曳航開始
- 9月25日船尾部の油抜き取り完了
八戸港沖に残る船尾部の油抜き取り作業を9月14に開始。9月25日に完了
- 10月8日船尾部の撤去作業も日本サルヴェージが引き続き継続
事故発生後から現地で油抜き作業にあたっていた日本サルヴェージが撤去作業についても引き続き継続しておこなうことを船舶管理会社である美須賀海運株式会社が発表(source:https://misuga-kaiun.co.jp/news/wordpress/wp-content/uploads/2022/09/20211008.pdf)
- 11月撤去準備作業中、潜水士がガス爆発に巻き込まれる事故発生
船尾部の分割撤去に向けて、船体に解体用チェーンを通すための穴を開ける作業中に潜水士がガス爆発に巻き込まれて肩や胸を打撲する事故が発生
- 2022年
9月28日地元の漁業者などを対象にした非公開の説明会10月初旬に大型起重機船到着、そして10月中旬に機関室部分の吊り上げ撤去という工程説明があったという
撤去作業完了予定:2023年1月
- 10月初旬海面上から船尾部分が見えなくなる
事故後、船尾部分は反転して船底が上になった状態で海面上に少し見えていましたが、海面上から姿が見えなくなる
- 10月23日起重機船「海翔」八戸港 到着
- 12月1日起重機船「海翔」八戸港 出港
入港後、何度か引き揚げを試みるためチャレンジはしていましたが、海象状況が悪く作業中止に。
- 12月9日「チェーンプラー」を使用した引き揚げ方法に変更
地元漁業者などを対象にした非公開の説明会で、船尾部分の引き揚げ方法について大型起重機船ではなく「チェーンプラー」を使用した施工方法への変更を提案。11ヶ月の工程遅延が明らかに。
撤去作業完了予定:2023年12月末
- 2023年
1月24日「チェーンプラー」使用の撤去工程を提示地元漁業者などを対象にした非公開の説明会で、引き揚げ方法を「チェーンプラー」に変更した工程を提示。機関室部分を2023年10月下旬から11月上旬におこない、撤去完了予定は工法変更を提示した時と変更なく、2023年12月末。
撤去作業完了予定:2023年12月末
- 8月31日使用予定の大型台船が遅れるため工程遅延
地元漁業者などを対象にした非公開の説明会で、引き揚げで使用予定の大型台船が現在従事している作業に遅れが生じているため、八戸沖撤去の工程が遅れるというもの。1ヶ月の工程遅延。
撤去作業完了予定:2024年1月末
- 10月24日機関室部分の引き揚げ作業開始
作業を開始した10月24日午後に油が流出し、オイルフェンスの外にも漏れたと撤去作業をおこなうサルベージ会社から海上保安部へ通報あり
- 12月14日機関室部分に想定外の切れ込みが発生し工程遅延
地元漁業者などを対象にした非公開の説明会で、機関室部分を台船2隻で吊上げた際に想定外の切れ込みが発生したため、別の位置に吊り上げ用のチェーンを設置し直す必要があるため工程が遅れるという説明。2カ月の工程遅延。
撤去作業完了予定:2024年3月末
- 12月31日八戸港の防波堤内側へ機関室部分を移設する作業が完了
台船2隻による機関室部分の吊り上げ作業は12月30日午前9時頃に開始。そして、午後4時半頃から曳航開始したものの機関室が海底に接触して進めないトラブル発生。30日夜から31日午前4時半頃にかけて再び吊り上げを実施。その後、午前5時頃に曳航を再開して午前7時20分頃に中央防波堤の港内側へ到着。
- 2024年
1月31日フローティングドック「宏洋12000」八戸港 到着 - 2月11日機関室部分の搭載作業中にフローティングドックの甲板破損
- 2月24日機関室部分をフローティングドックへ搭載完了
- 3月4日広島県江田島へ向けてフローティングドック八戸港 出港
- 3月4日機関室部分搭載作業の遅れから工程遅延
撤去作業完了予定:2024年5月中旬
- 5月8日2024年5月中旬の撤去完了は困難な見込み
遅延の見込みなどについては、5月16日の関係者説明会で発表予定
- 5月16日撤去完了時期の延期
撤去作業完了予定:2024年8月中旬
- 7月29日船尾部分の引き揚げ断念
海底で居住区の開口部を塞いだりする作業をおこない、早ければ8月末から9月上旬にも全ての作業を終えたい考え
- 八戸港沖で座礁した貨物船 船尾部分の吊り上げ撤去が間もなく開始
- 八戸港沖で座礁した貨物船 撤去予定の船尾部分が消えた!?
- 「海翔」八戸港へ「CRIMSON POLARIS」の撤去に向かう
- 八戸港で座礁船撤去準備を進めていた「海翔」が無念の出港
- 八戸沖座礁船の撤去完了は来年末へ 撤去方法はチェーンプラーに変更
- 八戸沖座礁船の撤去について新たなスケジュールの提示
- 八戸沖座礁船「クリムゾンポラリス」撤去完了が来年1月末へ延期
- 「クリムゾンポラリス」船尾部分の撤去開始、直後に油流出
- 八戸沖座礁船「クリムゾンポラリス」撤去完了が2024年3月末に延期
- 八戸沖の座礁船、重量約1,700トンの機関室移設作業完了
- 座礁船「クリムゾンポラリス」、起重機船で機関室をFDへ積込予定
- 座礁船「クリムゾンポラリス」を搭載するFD到着、週明けに作業開始
- 座礁船「クリムゾンポラリス」FD搭載作業中に台船破損で作業中断
- 八戸沖の座礁船、機関室部分をフローティングドックへ積載完了
- 「クリムゾンポラリス」の機関室を載せたFDが広島へ向け八戸出港
- 「クリムゾンポラリス」の撤去完了時期は5月中旬に遅れる見通し
- クリムゾンポラリス機関室搭載FDを曳航する「航洋丸」横須賀へ避難
- 「クリムゾンポラリス」機関室を積んだFD曳航再開、目的地は東播磨
- クリムゾンポラリス撤去完了がさらなる遅延の見込み
- 八戸沖のクリムゾンポラリス撤去完了時期、8月中旬に延期
- 八戸沖で撤去中のクリムゾン・ポラリス、船尾部分の引き揚げ断念
12.インド沖で発生したコンテナ船火災、まだ鎮火していない状態
2024年7月19日14時30分(インド時間)、インド西部のアラビア海を航行していた全長254mのコンテナ船「MAERSK FRANKFURT」で火災が発生。
コンテナ船で起きた火災により、乗組員1人が死亡したことを明らかにしています。
MaerskはX投稿でコンテナ船「MAERSK FRANKFURT」に乗船していた乗組員21人のうち1人が火災により死亡したこと明らかにしている。事故当時、コンテナ船は7月17日にインドのムンドラを出港し、7月22日にスリランカのコロンボ港へ到着する予定でした。
「Sahayata」作戦の10日目、インド沿岸警備隊は、ニュー・マンガロールの南西50海里にあるMV Maersk Frankfurtの消火と汚染防止活動を続けています。過去10日間で、ICG船5隻、ヘリコプター2機、ドルニエ航空機1機が配備されました。1200kgの乾燥化学粉末が空中投下されました。船主/DPAは、消火と廃棄作業を管理するために専門の救助機関を雇いました。ICGは、5隻の救助船の乗船を支援しました。タグボートAlbattros 5、Maha Wewa、ETV Water Lilyが現場に到着しています。タグボートCreative-Iは本日到着予定で、AHTS Valiantは24年7月30日までに到着する予定です。ICGは、救助船が到着するまで救助船を支援し続けます。困難な状況にもかかわらず、状況は制御されており、私たちの敏感な海岸線は安全です。
出典:X | Indian Coast Guard(@IndiaCoastGuard)
2024年7月28日のインド沿岸警備隊によるX投稿では火災発生から10日が経過してもなお、消火活動が続けられていることが明らかにされています。放水による消火活動に加えて、ヘリコプターからの粉末消火薬剤投下が実施されており、1,200kgの粉末消火薬剤を投下。
インド沿岸警備隊の船舶や航空機以外に、船主手配のタグボートが現場に到着し、コンテナ船「MAERSK FRANKFURT」の支援活動を実施。
11.五洋建設が設備投資に年間約300億円、大型クレーン船建造計画も
2023年5月、五洋建設が発表した中期経営計画(2023~25年度)の中で明らかにされていた年間約330億円の投資計画。そのうち大部分となる年間約300億円を洋上風力建設に用いる大型作業船建造の設備投資にあて、DEMEが保有するSEP起重機船「Sea Challenger」のアップグレード・日本船籍化やケーブル敷設船、5,000トン吊りクラスの大型基礎設置船建造を計画している。という以前に発表されていた情報のなかで大型作業船の建造時期について日刊建設工業新聞に掲載されている情報を紹介した記事。
2024年12月10日、五洋建設は開催した取締役会において洋上風力建設に用いる作業船への設備投資として、大型基礎施工船とケーブル敷設船合わせて約790億円の設備投資をおこなうことを決議したと発表。
容量5,000トンのカルーセル2基を搭載する大型自航式ケーブル敷設船については、12月3日にシンガポールのPaxOcean Groupと建造契約を締結したと明らかにしており、2028年2月に完成・引き渡し予定。5,000トン吊りのメインクレーンを搭載する大型基礎施工船(HLV,Heavy Lift Vessel)は、2025年1月にシンガポールのSeatriumと2025年1月に建造契約をおこない、完成・引き渡しは2028年3月の予定。
建造船 | 船体建造 | 建造契約 | 完成・引き渡し |
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大型基礎施工船(HLV) | Seatrium (シンガポール) | 2025年1月(予定) | 2028年3月(予定) |
ケーブル敷設船(CLV) | PaxOcean Group (シンガポール) | 2024年12月3日 | 2028年2月(予定) |
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