大分ホーバークラフト3番船「Tanso」間もなく日本到着!
2024年2月13日、大分ホーバークラフト3番船「Tanso」を積んでいるとみられる重量物運搬船「WIEBKE」が中国の上海を出港し、日本の大分へ向け航行を開始しました。
重量物運搬船「WIEBKE」のAIS情報を確認すると、2月13日10時半頃に上海を出港し、予定では2月15日9時頃に大分へ到着する予定。上海から大分までは約1,300km(約700海里)あるので、2日間で到着するとなると計算上は平均14.6ノットという速力になる。👆上の画像位置でAISを確認した時は16.0ノットで航行しており、順調にいけば予定通り到着できそうです。
イギリス(サウサンプトン)での「Tanso」積込の様子と重量物運搬船「WIEBKE」
3番船「Tanso」を積んだ重量物運搬船「WIEBKE」イギリス出港に関する記事
安全上の理由でスエズ運河を回避したことによる到着の遅れ
船名 | イギリス 出港日 | 日本 到着日 | 運搬日数 (英→日) | 到着から納入 までの日数 | 納入日 | 当初の 納入予定日 | 遅延日数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Baien | 7月15日 | 8月24日 | 40日 | 15日 | 9月8日 | 2023年7月20日 | 50日 |
Banri | 9月20日 | 11月8日 | 49日 | 9日 | 11月17日 | 2023年10月12日 | 36日 |
Tanso | 12月8日 | 2月15日(予定) | 69日(予定) | ― | ― | 2024年1月18日 | ― |
大分ホーバークラフト3番船「Tanso」が運搬船に積まれてイギリスを出港したのは2023年12月8日。順調に航行して2024年2月15日に大分へ到着した場合、運搬日数は69日間。
運搬船「WIEBKE」がホーバークラフト「Tanso」以外の貨物輸送のため荷役する港へ寄港していることも運搬日数の増加に関係していますが、一番の原因はスエズ運河を回避して喜望峰航路を通航したこと。昨年から紅海周辺で起きている商船を標的とした攻撃により、安全上の理由からスエズ運河を通航することが出来ませんでした。
喜望峰航路では9日~2週間のタイムロス
航行距離 | 所要時間 | |
---|---|---|
スエズ運河航路 | 約21,000km(約11,300海里) | 807時間(約34日) |
喜望峰航路 | 約28,000km(約15,100海里) | 1,079時間(約45日) |
差 | 約7,000km(約3,800海里) | 272時間(約11日) |
※航行速力は平均14ノットで算出
今回のホーバークラフト「Tanso」輸送と少し違いますが、東京~ロッテルダム間でのスエズ運河航路と喜望峰航路の比較。結果は航行距離で約7,000km(約3,800海里)、平均14ノットの速力で算出した所要時間は272時間(約11日)の差がありました。スエズ運河を管理するスエズ運河庁もアジアとヨーロッパの航路においてスエズ運河を通航することで、出発港や目的港によって差があるものの9日~2週間の時間短縮になると述べています。
納期遅延や事故による船体破損で操縦訓練をおこなう時間の確保が難しい状況になっていることに加えて、3番船「Tanso」到着後に1番船「Baien」の本格的な修理を開始するということなので、一刻も早い到着が望まれます。
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