クリムゾンポラリス機関室搭載FDを曳航する「航洋丸」横須賀へ避難

クリムゾンポラリス機関室搭載FDを曳航する「航洋丸」横須賀へ避難 国内ニュース
スポンサーリンク

クリムゾンポラリス機関室搭載FDを曳航する「航洋丸」横須賀へ避難

曳航船等の入航予定情報(2024年03月10日19時45分更新)
出典:海上保安庁 | 東京湾海上交通センター

東京湾海上交通センターが公開している曳航船等の入航予定情報によると、CRIMSON POLARIS(クリムゾン・ポラリス)の機関室を積んだフローティングドック(FD)「宏洋12000」を曳航している「航洋丸」が曳航を中断し、横須賀に避難するようです。

2024年3月4日にFD「宏洋12000」を曳航して八戸港を出港した「航洋丸」でしたが、5日夜には仙台湾に避難し、7日昼過ぎに曳航を再開していたので今回で2度目の避難となる。天候に起因することなので避難は仕方のないことなんですが、機関室搭載時に甲板への亀裂が確認されていただけに波浪による船体動揺で影響が無いのか心配。

出典:気象庁ホームページ 
(https://www.jma.go.jp/bosai/weather_map/)

予報では3月12日(火)から日本列島南岸を発達しながら東に進んでいく低気圧、いわゆる南岸低気圧の影響で太平洋側は曳航出来るような状況では無いようです。

曳航を中断して湾内に入り、荒天をやり過ごすと言ってもFDのアンカーを打って沖に停泊させるだけでも結構大変な作業であることが想像出来る。

スポンサーリンク

曳航長380m、曳航物件FC(64m)

多数の船舶が通航する航路・海域において、船舶交通の安全性及び効率性を向上させることを任務とし、海上保安庁が設置・運用する全国7カ所に設置されている海上交通センターは、Marine Traffic Information Serviceの頭文字を取ってMARTIS(マーチス)と呼ばれています。

今回、FD曳航中の「航洋丸」が浦賀水道航路を通航するという情報は、東京湾海上交通センター(東京マーチス)の曳航船等の入航予定情報-浦賀水道に掲載され、他船への周知がおこなわれている。これは、長さ160m以上の船舶(伊良子水道航路は130m以上)および今回の「航洋丸」のような曳航長200m以上の長大物件曳航船が海上交通安全法に基づく航路通報義務があることによるもの。該当する航路を通航する場合、前日の正午までに船名、航路名、航路入航予定日時等の通報事項を海上交通センター等の担当部署に通報(航路通報)しなければならない。

曳航長380m

曳航長とは曳船の先端から曳航船の後端までの距離を指し、今回の航路通報情報を図にすると👆のようになります。しかし、航路や狭水道通行時は原則として必要最低限の曳航長にする必要があり、それに対して230mという曳航長は少し長い気もするので、FDの後ろに補助曳船が帯同しているのかもしれません。

曳航物件FC(64m)

曳航物件の欄に記載されている曳航物件FC(64m)は、長さ64mのFloating Crane(浮きクレーン、起重機船)を曳航しているという意味。確かにフローティングドック(FD)「宏洋12000」には、6トン吊りのクレーンが2基搭載されていますが起重機船という表現には少し違和感を感じますね。

他の欄に記載されているDBはDeck Barge(甲板はしけ、台船)という意味。

救助船「航洋丸」(KOYO MARU)

船名航洋丸
総トン数2,096トン
長さ86.08m
14.5m
深さ6.70m
建造年1998年
救助船「航洋丸」
出典:The Nippon Salvage

フローティングドック(FD)「宏洋12000」

船名宏洋12000
載貨重量トン約12,000トン
長さ64m
45m
深さ5.3m
最大甲板深度21.5m
搭載クレーン6トン×2基
フローティングドック「宏洋12000」
出典:Ieshima construction
スポンサーリンク

「CRIMSON POLARIS」引き揚げに関する記事

八戸港沖で座礁した貨物船 船尾部分の吊り上げ撤去が間もなく開始
八戸港沖で座礁した貨物船 撤去予定の船尾部分が消えた!?
「海翔」八戸港へ「CRIMSON POLARIS」の撤去に向かう
八戸港で座礁船撤去準備を進めていた「海翔」が無念の出港
八戸沖座礁船の撤去完了は来年末へ 撤去方法はチェーンプラーに変更
八戸沖座礁船の撤去について新たなスケジュールの提示
今治沖の貨物船「白虎」引き揚げ作業 本格的に開始
迷走する台風6号、進行中のサルベージオペレーションへの影響は?
八戸沖座礁船「クリムゾンポラリス」撤去完了が来年1月末へ延期
「クリムゾンポラリス」船尾部分の撤去開始、直後に油流出
八戸沖座礁船「クリムゾンポラリス」撤去完了が2024年3月末に延期
八戸沖の座礁船、重量約1,700トンの機関室移設作業完了
座礁船「クリムゾンポラリス」、起重機船で機関室をFDへ積込予定
座礁船「クリムゾンポラリス」を搭載するFD到着、週明けに作業開始
座礁船「クリムゾンポラリス」FD搭載作業中に台船破損で作業中断
八戸沖の座礁船、機関室部分をフローティングドックへ積載完了
「クリムゾンポラリス」の機関室を載せたFDが広島へ向け八戸出港
「クリムゾンポラリス」の撤去完了時期は5月中旬に遅れる見通し
クリムゾンポラリス機関室搭載FDを曳航する「航洋丸」横須賀へ避難
「クリムゾンポラリス」機関室を積んだFD曳航再開、目的地は東播磨
クリムゾンポラリス撤去完了がさらなる遅延の見込み
八戸沖のクリムゾンポラリス撤去完了時期、8月中旬に延期
八戸沖で撤去中のクリムゾン・ポラリス、船尾部分の引き揚げ断念
スポンサーリンク
興味深い海の世界

あらゆるものが巨大な海の世界。
なかでもインパクトの強い画像を中心に海の世界を紹介。

スポンサーリンク
世界のサルベージ オペレーション

来島海峡で水深60mの海底に沈んだ全長約170mの「白虎」引き揚げをはじめ、日本国内でも多くのサルベージオペレーションがおこなわれています。
世界各地で実施されている困難なサルベージの数々を紹介。

Crane1000をもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む

タイトルとURLをコピーしました