「Moray West」でバイブロハンマーによるモノパイル設置
2024年2月19日、DEMEはLinkedInへの投稿で5,000トン吊りクレーン船「Orion」によるCAPE Hollandのバイブロハンマー「CAPE VLT-640 Quad」を使用した「Moray West offshore wind farm」のモノパイル設置を開始し、1本目の施工が無事に成功したことを明らかにしました。
スコットランド沖で建設が進められている「Moray West offshore wind farm」では、Siemens Gamesa製の風力タービン「SG 14-222 DD」60基を設置する計画。昨年の2023年10月5日に事業者のOcean WindsがBoskalisの4,000トン吊りクレーン船「Bokalift 2」による最初のモノパイル設置完了を発表していますが、設置には油圧ハンマーのみを使用しており、バイブロハンマーは使われていませんでした。
モノパイル設置にバイブロハンマーを使用するのは、設置エリア内のなかでも土質条件が悪く、パイルランリスクの高い場所のみとなっているようです。
それにしても巨大なバイブロハンマーですら小さく見えるクレーン船「Orion」やモノパイルの大きさには驚くばかり。14MW級の洋上風力タービンを施工するスケールの大きさは尋常ではない。しかし、日本でも3年後くらいには15MW、そして18MWの洋上風力タービン設置が開始される予定。基礎はモノパイル以外が採用されるかもしれませんが。
施工する作業船の強力なラインナップ
DEMEがLinkedInへ投稿した内容には、クレーン船「Orion」での施工の他にSEP起重機船「Apollo」によるトランジションピースの設置が進められているという説明がありました。
「Moray West offshore wind farm」設置エリア付近のAIS情報を確認してみると、「Orion」、「Apollo」の他にも施工をおこなう作業船がいました。羨ましいほどの強力なラインナップ。
「Moray West offshore wind farm」の概要
「Moray West offshore wind farm」は、EDP Renewables と Engie の合弁会社 Ocean Winds および Ignitis Group によって開発されており、Siemens Gamesa「SG 14-222 DD」60基、洋上変電所2基の設置を計画している。変電所2基を含むすべての基礎は、モノパイルを採用。総発電容量は882MW、風力タービンの単機出力はパワーブーストにより14.7MWへ引き上げられる予定。
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