SEP船「Wind Orca」1,600トン吊りクレーン搭載
オランダのスヒーダムでおこなわれているSEP船「Wind Orca」のクレーンアップグレードで、いよいよ新しい1,600トン吊りのクレーンを搭載する作業が開始されました。
長い新造クレーンジブを吊り上げているのは、Mammoetの最大3,200トン吊りリングクレーン「PTC210-DS」と相番のクローラークレーン。岸壁に仮置きしていたクレーンジブを2台のクレーンで吊り上げた後、リングクレーンは旋回、相番のクローラークレーンは走行して前進し、SEP船「Wind Orca」の取り付け位置へ移動。
新造クレーンの搭載作業はアッセンブリ(一式)の状態では無く、部材ごとに組み立てをおこなっているためジブ根元のフードピンを取り付けた後は、事前にセッティングしていたジブ受け架台に預けて玉掛け解除。この状態で引き続きワイヤーリービングなどをおこなっていくとみられる。
画像から分かる情報で新造ジブの搭載要領を図示すると👇下のような感じ。
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アップグレードにより揚程は甲板上132mから160mへ
出典:Cadeler
2隻同時にアップグレードを実施しているSEP船「Wind Orca」と「Wind Osprey」は、既設クレーンを撤去して新造クレーン設置により吊り上げ能力が1,200トンから1,600トンへ増強され、さらに甲板上の揚程が132mから160mへ増加します。
風力タービンの単機出力を増加させるためには風車が風を受ける掃引面積を増やす必要がある為、必然的にブレードが長くなる。ブレードが長くなると取り付けるハブの高さが高くなり、設置作業をおこなうSEP船の揚程が施工のボトルネックになってしまう。
アップグレードによって揚程を30m近く増加させたSEP船「Wind Orca」と「Wind Osprey」ですが、急速に大型化が進む中で、この先何年くらい最前線の現場で稼働できるのかは分かりません。大型化の波に合わせて、保有船のアップグレードを実施できる企業は生き残れますが、そうでない場合は淘汰され脱落していく企業が多くでてきそう。
日本国内では建造後、まだ稼働していないSEP船が1隻いますが、将来の先行きを心配してしまう。既存クレーンの揚程アップグレードに焦点を当てた「Tetrahedron」のような技術開発を進めることも重要になってくるのではないでしょうか。まだプロトタイプの段階ですが、「Tetrahedron」を日本国内初で導入することも選択肢の1つとして考えられるかもしれません。
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