ドイツの生産拠点からMoray West向けナセル輸送開始
ドイツのクックスハーフェンにあるSiemens Gamesaの生産拠点で製造した「Moray West offshore wind farm」向けとなる風力タービンナセルの輸送が開始されました。ドイツから「Moray West offshore wind farm」の拠点港ナイッグまでナセルを輸送するのはSiemens Gamesaの専用運搬船「Rotra Vente」。
スコットランド沖で建設が進められている「Moray West offshore wind farm」では、Siemens Gamesa製の風力タービン「SG 14-222 DD」60基を設置する計画となっており、14MWのナセルというだけあって巨大。重量は公表されていないようですが、ウェブ上で確認できるプロトタイプ設置時の情報だとナセルのみで500トン、ハブ+ナセルの状態で600トン以下という数値。
出典:Siemens Gamesa
風力タービンを設置するSEP起重機船にナセルを設置するだけの揚程が必要なのは当然ですが、SEP船の甲板上に複数の風力タービン部材を積む時の位置およびクレーン作業半径から施工効率を考慮すると部材最大重量を大きく上回るクレーン能力も必要であることが分かります。
「Moray West offshore wind farm」で14MWの風力タービン設置をおこなうのは、CadelerのSEP起重機船「Wind Orca」。アップグレードにより最大吊り上げ能力は1,200トンから1,600トンへ増強され、揚程は132mから160mへ増加。
輸送距離は約960km(約520海里)
ドイツのクックスハーフェンから拠点港のナイッグまでの輸送距離は約960km(約520海里)。
運搬船「Rotra Vente」のAIS情報によると、4月3日にクックスハーフェンを出港して、4月5日にナイッグへ到着していました。
「Moray West offshore wind farm」の概要
「Moray West offshore wind farm」は、EDP Renewables と Engie の合弁会社 Ocean Winds および Ignitis Group によって開発されており、Siemens Gamesa「SG 14-222 DD」60基、洋上変電所2基の設置を計画している。変電所2基を含むすべての基礎は、モノパイルを採用。総発電容量は882MW、風力タービンの単機出力はパワーブーストにより14.7MWへ引き上げられる予定。
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