「Vineyard Wind 1」で1基目の13MW風力タービン設置
2023年10月18日、アメリカのマサチューセッツ沖で建設が進められている「Vineyard Wind 1」で1基目の風力タービン「Haliade-X」設置完了が発表されました。
設置したGE製の風力タービン「Haliade-X」の出力は13MWで、1基当たりの発電電力量は6,000以上の家庭で消費する電力量に相当するという。「Vineyard Wind 1」では、62基の風力タービン設置が計画されており総発電容量は806MW。運転を開始するとマサチューセッツ州の40万以上の家庭や企業で消費する電力の供給が見込まれている。
「Vineyard Wind 1」の概要
ジョーンズ法に対応した施工方法については・・
「Vineyard Wind 1」の風力タービン設置で最も注目していたのは、ジョーンズ法に準拠していないデンマーク船籍のSEP船「Sea Installer」による施工。SEP船の自船甲板に風力タービン部材を積んで設置場所へ向かうことが出来ないため、ジョーンズ法に準拠した台船と曳船を使用して部材を運搬。台船上には動作補償プラットフォームを搭載し、クレーン側にも吊荷の揺れを低減する洋上リフティングデバイスを用意するなど、様々な対策を準備していましたが、今回の発表では施工について触れられていませんでした。
SEP船「Sea Installer」 ぶら下げている大きなフェンダー(防舷材)
1基目の「Haliade-X」を設置した画像に映るSEP船「Sea Installer」の船縁には大きなフェンダー(防舷材)がぶら下げられています。
風力タービンの部材を運搬する台船は、DPS非搭載のいわゆる平台船。部材の吊り取りでSEP船「Sea Installer」の横に運搬台船を係留して作業するためのものと思われますが、そもそも沖合の海上でSEP船の横に台船を係留できる程度の海象条件でしか作業が出来ないということになりそう。
実際にどのような方法で部材を吊り取ったのか、準備していた対策機材はどの程度効果があったのか。いつかは明らかになると思いますが、謎は深まるばかりなので気になります。残り61基の設置、途方も無いですね。
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